父の思い出と起業

なぜキッチンカーをはじめたかを振り返ってみると、父の存在を思い出さずにはいられません。

個人的な話になりますが、開業する前年の9月、肺がんを患っていた父を見送りました。私の父は大阪で約40年、運送業を営む商売人でした。小さいながらも信頼のある会社の社長としていろんな時代を乗り越えて家族を守ってくれました。父は病院でも看護師さん達を気遣い、笑わせ、自宅に戻ってからも最期まで「ありがとう、みんなにありがとう」と言いながら家族に囲まれて幸せな最期を迎えたと思います。

好きなことを仕事にして自分らしく生きている父の影響か、自分で何かを始めてみたいという気持ちは学生のころからずっと持っていました。でも起業のアイデアも度胸もなく時間が過ぎていきました。

父の死から数週間後、それまで思いもしなかったキッチンカー開業という夢をパッとひらめいたのです。そこからは自分でも驚くくらいの行動力で、11月には地域の商工会へ出向き、創業へ向けて準備を進めていました。起業どころが会社勤めもロクにしたことのない主婦でしたが翌年2月には開業、4月には初出店することができました。
たくさんの人に出会い、人に恵まれ、父に背中を押されているような気がしました。

縁あって私のもとにやってきたチョコパレス号は20年物の中古車で、窓はクルクル手で回すハンドル、エアコンは昔のテレビみたいにガチャガチャ回すツマミ。まるで父のトラックに乗っているみたいで懐かしくなります。

始めたからには私のキッチンカーも、父の会社のように長く続けていきたいと思います。

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