「〜しようと思ってるんだよね」「〜してみたいんだよな」
会話の中で、そんな言葉をよく耳にします。でも、そう言いながらなかなか一歩を踏み出さない人もたくさん見てきました。それぞれ事情があるし、考え方も違うのはわかっています。
たとえば、子どもや高齢の家族の世話で自由に使える時間が少ない人は、その貴重な時間を何に使うか、それはもう慎重に考えるでしょう。あるいは、もしかしたら軽い気持ちで言っているだけで、本当は今の生活に満足していて、心から実現したいとまでは思っていないのかもしれません。
でも、それでも私、思わず言ってしまうんです。
「これからの人生で、今が一番若いねんで」って。
残された人生、少しでも充実した気持ちで過ごせる時間が多い方がいい。そんなシンプルな思いが、私にそう言わせます。
「できない理由」の壁を越える
私も昔はそうでした。「やりたいこと」はたくさんあったのに、いつも頭の中でグルグル考えてばかり。行動に移せない理由を探すのが得意だったんです。「今やらなくても」「お金がないし」「私には無理か」…そうやって、やらない言い訳を並べていました。
でも、一度きりの人生、このまま終わっていいのか?と立ち止まった時、あることに気づいたんです。「行動しない限り、何も見えない」ということ。
私の場合は、キッチンカーが大きな転機でした。「小資金でできそう」「自分のペースでできそう」という甘い考えで、右も左も分からずに飛び出しました。もちろん、不安だらけでしたよ。「飲食店は3年以内に70%が廃業する」なんていう、聞けば尻込みしそうな言葉も何度も耳にしました。でも、心の中では「だから何?」「じゃあやめとけって言いたいわけ?」って思ってました。だって、やりたいんだもん。子どもに「チョコレート食べたら虫歯になるよ」って言っても、食べたいから食べるのと同じ(笑)。
小さな一歩から見えてくる景色
実際に始めてみたら、見通しが甘かったこと、想像と違うことなんて山ほどありました。幼稚園の娘を連れて行って、つまらなくて飽きちゃう娘と、狭い車内でてんやわんやの私。計算通りにいかない出店と在庫。でも、そんな失敗も乗り越えたから、助けてくれる心強い仲間と出会えて今に至ります。
そう、やってみないとわからないことって、本当にたくさんあるんです。
あなたにとっての「今」を大切に
別に、キッチンカーを始める必要はないし、たくさんの顔を持つ必要もありません。大切なのは、あなたが「今」の自分に満足できているかどうか。
もし、心の中に「〜してみたい」という小さな火がくすぶっているなら、それは何よりのチャンスです。大きな一歩じゃなくていい。まずは情報収集する、誰かに相談してみる、体験会に参加してみる。小さな一歩でも、踏み出すことに意味があるんです。
私も、キッチンカーとは別でNPO活動やハーブなど、一見バラバラに見えることをやっていますが、これらは全て「誰かが自分らしく輝けるきっかけや場所を作りたい」という想いで繋がっています。そして、その活動を通じて出会う人たちとの縁が、また新たな「点」となり、未来に繋がっていくのを感じています。
「これからの人生で、今が一番若い」。この言葉を贈りたいのは、他でもない、今このコラムを読んでくださっているあなたです。
さあ、今日から何をしてみたいですか?